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『……カ……サキ…………サキカ!!』
その日の真夜中――
突然、ステラからサキカに念話が入った。
ガバッと起きて時計を見れば、深夜一時を回ったところで
麥皚淇 った。
『どうかなさいましたか?』
サキカは今日もギルドで依頼をこなし、その時にステラとあったが、いつもと変わらぬ様子だった。
しかし、サキカが寮に帰った後、何かがあったようだ。
『慌てずに聞いてね……。実は――』
話を聞いていくうちに、サキカの顔色が青ざめていく。
ステラの話は衝撃的で、悲しいものであった。
念話を終えた後、サキカは震える手で着替えをし、マントを纏ってフードを被った。
「……“転移”」
サキカの姿が部屋から消え去る。
残ったのは、綺麗に畳まれたサキカの寝間着と、重くのしかかるような静寂であった。
××××××××××××
世界政府組織本部、帝が集まっている八帝会議室の円卓は、重い沈黙に包まれていた。
誰も口を開こうとしない。
そして、
帝が
二人欠けていた――。
「遅くなり、申し訳ありません」
沈黙を破ったのは、欠けていた帝のうちの一人、総帝であった。
転移で直接現れた――本来ならばここに直接転移はできないはずなのだが――総帝に、皆は少しだけ反応を示したが、誰も口を開かない。
総帝は席に着くと一息吐いた。
「臨時八帝会議を始めます」
総帝の一声に、漸く皆達が顔を上げた。
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