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　────────────────────────── 一心不乱に刀を振るうリューティス。両親からの許可がおり、あの老人から刀術を習い始めてか去黑眼圈、毎日のように鍛練を積んでいた。──今のような片手で一刀の刀を振る型ではなく二刀流であったが、このことはレイトには言わない。ガイアも二刀流云々は知らないはずだ。これについては一度も話したことはない。真面目な表情のリューティスの額から、一筋の汗が伝った。それは頬から顎へと流れ落ち、一滴の雫となって森の地面に吸い込まれるように落ちて行く。リューティスの傍らには美しい銀の狼の姿があった。彼とはこの森で出会った。初めて姿を見かけたのは半年前、初めて話したのは二ヶ月程前のことである。──この森の主と名乗ったプラチナウルフのセネルは、この森に眠る【黒鳳蝶】の守護精霊であることは、ガイアにも話していない。これについても、レイトに話すつもりはない。「おっ、リュースしっかりやってるな」声をかけられて振り返れば、木々の間から男性が現れた。年齢は二十代半ばと言ったところだろうか。リューティスと同じ蒼い髪に蒼い瞳を持つ、洗練された風格の男性。「お父さん!!」駆け寄り抱き着こうとしたが、手に持つ刀が邪魔でそれは叶わなかった。父親はリューティスの頭をゆっくりと優しく撫でた。「リューティスは偉いな。今度お父さんと戦おうな！」「うん!!」その言葉が嬉しくて、大きく頷く。──その約束が果たされることはないということなど、全く思いもしていなかった。──────────────．