そして――（っ――――……）逃げ場がない状況がやってきた。上からはユリアスの物らしき風属性魔法の軍団が、左側にはリリスの物らしき風属性魔法の広範囲魔法が
HKUE 傳銷 背後からは有舞の植物属性魔法が、右にもこれまた広範囲のアンドリューの雷属性魔法が、そして地面からはアークの土属性魔法が、一斉に襲ってきたのだ。止めは、それを全て覆い尽くしそうなレイトの水属性中級魔法。一瞬前の魔法を避け間違え、魔法が集中する場所に足を踏み入れてしまったのだ。完全に追い込まれ逃げ場を失ったサキカは、反射的に刀を抜いて目を開けて――――魔法を斬り裂いたのであった。直後、魔法を斬り裂いたことによってできた隙間から逃げ出し、背後で大爆発が起こる。轟音を背に、素早く結界を斬り裂いて、爆発によって生まれた爆風の風圧を利用して結界の外へと飛び出した。外へと飛び出してから、しまったと思ったが、後の祭りだ。平凡――否、落ちこぼれを装うためにも皆の前では型の練習以外で剣術は使わないつもりだったのだが、反射的に使ってしまった。あの場面であったならば、しゃがみこんで無属性初級魔法でも張って、それを破られ多少の怪我を負うのが、一番良い対応だっただろう。――陸（ろく）ノ型・魔断（またち）。それがあの剣技の名前である。名前の通り魔法を斬るという技であるが、もとは二刀流の技だったものをサキカが一刀用に改良したのだ。ちなみに数の大小には特に意味はない。数が大きい技の方が大抵難易度が高いが、必ずしもそうとはいえないものもある。サキカが何をして、どうやって結界から抜け出してきたのかと、女性はサキカを凝視していたが、サキカが苦笑いしたことによってその口が開かれた。「今の……、どうやった？ 完全に追い込まれいたように見えたんだが、突然魔法が避けたようになって……、って、まさか斬ったの!?」抜き放たれた純白の刀――【白龍】を目にした女性が、目を剥いた。.
