サキカが彼のかわりにファイアベアの前に膝をつけて解体しはじめると、ものの数分で作業を終えてしまった。「器用だな」感心したのかアンドリューはポツリと呟いて、そ
治療 脫髮 からユリアスとリリスと共に解体した魔物の素材を麻布に入れる作業に手を貸してくれたのだった。「さて、残りは四体だ。さっさと仕留めて終ろうか」呟いたリーオンの後を──否、サキカからファイアベアの居場所を聞かされたホリムの後を追うことさらに数十分。サキカたちは残りの四体のファイアベアと出くわした。──サキカはその四体の魔力を感じ取っているうちに、あることに気がついてしまっていた。四体のファイアベアのうちの一体が、他の倍以上の魔力を保有しているのだ。木の影から見た四体のうち、他の倍以上の魔力を保有している一体は、身体も大きく力も強そうである。「……あれはここら一帯のボスだな」──あれはボス的存在であるに違いない。ならば、他よりもさらに強いはずだ。「皆で行ってこい、と言いたいところだが、……サキカ、ガイア、二人で倒してこい」リーオンの言葉に、サキカとガイアはあっさりと頷いた。皆と共闘するのが面倒になったからではない。ガイアとサキカが共に戦うところを、皆に見せるためである。しかし、レイトは不満の声を上げた。「えぇーっ、オレも戦いたいっスよ!」有舞やアンドリューもどこか不満げな表情で、リーオンを見ていた。それに対し、サキカとガイアのみで四体ものファイアベアに立ち向かわせようとしている意図に気がついたらしいユリアスとアークは、サキカとガイアと同じように納得の表情だ。ちなみにリリスは無関心そうに周りの木々を見ていた。彼女はとことんマイペースだ。.