そしてサキカたちは、ギルド“暗夜の憂鬱”支部へと足を運んだ。以前アークと体術の組手を行って以来のことである。白っぽい煉瓦造りのそれに足を踏み入れると、ギルド特有の喧騒が耳にはい
HKUE 傳銷真相 。本部よりは静かだろうが、それでも時折誰かの怒鳴り声がしたり、真剣に話し合う声が聞こえてきたりするのだ。アークは受付へと向かい、サキカとリリスはその後をついていった。件の人物の居場所を聞くつもりなのだろうか。ということは、おそらくアークは念話魔法を未習得なのだ。難易度的には高等部一年では難しいだろうが、アークほどの実力を持つならば、とっくに習得していると思っていた。特定の人物と会話を交わすのには何回か練習をする必要があるが、訓練の指導を頼もうと思うぐらいの仲であれば、念話自体を習得しているならば、交すことができてもおかしくはないのである。「すみません、第五特攻隊第四十二席のアーク・レオンなんですが」ギルドカードを“ボックス”から取り出し、受付の男性に見せるアーク。サキカは初めてアークの肩書きを耳にした。サキカの記憶によれば、ギルド“暗夜の憂鬱”はサキカが所属しているギルド“月の光”とは異なり、隊は大きく分けて五つに別れている。アークが所属する特攻隊は、攻撃を主に行う隊であり、これはさらに五つの隊に別れている。第一特攻隊が一番人数が少なく、だが特攻隊の中でも優秀な隊員で構成されており、第五特攻隊は一番人数が多くしかし実力は他の特攻隊より劣る。たしか第五特攻隊は全員で五十人前後で、アークはその四十二席――学生としては優秀であるが、まだまだだということである。他にも、治癒隊、遊撃隊、魔法隊、後方支援隊という隊が存在するが、特攻隊が一番人数が多く、次に多いのが魔法隊で、治癒隊と後方支援隊は同じくらい、一番人数の少ないのが最も人気のある遊撃隊である。.
