サキカも被害がなかったわけではない。耳鳴りがする。手を外して溜め息を吐くと、レイトが恨めしげにこちらを見ていた。「助言はしたよ?」サキカが苦笑いすると、ゆっ
HKUE 傳銷 りと上半身を起き上がらせたレイトは唇を尖らせた。「あれじゃわかんない」「……そうかな」サキカとしては、爆音を防ぐために一番安易な方法を教えたつもりだったのだが。「爆音がするって警告しても、慌てちゃわないかと思って」「……まあ、たしかに。ありがとな」結局は納得したらしい。闘技場のど真ん中に立つ女子生徒に視線を戻すと、彼女はマイクを口元に近づけていた。「皆さん、おはようございます!! ×××××××××!! ××××××××××××××!!」同じ言葉を、東の国の言語であるジパング語と北の国の言語であるレーン・ミーカティック語で繰り返した女子生徒。東の国の学園の生徒や北の国の学園の生徒のための配慮であろう。しかしながら、それ以上はジパング語もレーン・ミーカティック語も話せないようで、女子生徒はオルス語で説明し始めた。通訳がそれぞれついているだろうし、あちらの学園は三ヵ国で使われているオルス語の授業があるらしい──サキカが東の国の小さな学校に通っていたときはあった──ため、通訳がいなくとも多少は理解できているだろう。.