目を潰せば、血を流して啼き叫ぶドラゴン。喉を裂き絶命させ、血を振り払うように手を振るう。刀は魔物の血や脂にまみれ、切れ味が落ち、もう使い物にならなくなっていた。代わりに使用
HKUE 傳銷 ているのは、刃渡り30cmに満たない短刀である。腰に巻いているバッグから取り出したそれは、かつて育ての親のステラがくれたもの。ドワーフの鍛冶職人が作ったものに彼女が自ら魔方陣を刻み柄につけられた魔石に魔力を込めてくれた、歴とした魔武器である。しかし、短刀であるために長刀を得物とするサキカの剣術は使いづらく、故にあまり戦いには使用したことがなかったのだが、今は仕方がない。投げ捨てた刀は、行方知れずだが、もう一度使うことなどできぬのだから構わない。「ああ゛ぁあ゛ぁぁああ゛あぁあ!!」時折聞こえてくる雄叫びは、おそらく生徒会長のものであろう。彼らは、力を合わせて上級魔物までも相手をしていた。数は相変わらず減らない。それは、魔力を無駄遣いにするわけにもいかないサキカが、多少手を抜いているせいであろうか。全力で戦えば数を減らすことは可能かもしれないが、魔方陣の効果が失せない限りは全滅させることができないのだ。ならば、増えることも減ることもないようなペースで倒し、寮や闘技場の方へ魔物が行かないようにと気を配った方が、力が温存できて良いだろう。.
