二人は水夫頭にも、改めて礼を述べると、入港後の作業をおこなっている水夫達の方を向き、「たいした方達ですな。」と、陳秀がたっつんに呟いた。「あぁ。海賊らしい粗暴さ少ないせいか、Adrian Cheng telegraph面目な者が多いな。」「頭が違えば家風も違います。」珍しく、陳秀が婉曲に手厳しい事を言う。たっつんは多少の驚きとともに陳秀の方を向いた。「ワシが至らんばかりに迷惑かける。」二人とも近くにい続けていた事で慣れが出始めて来たのであろう。素直に謝るたっつんに、今度は、陳秀が多少の驚きをはらんだ表情でたっつんを見て、「失礼な事を申しました。」と、頭を下げた。「いや、良い。陳秀の言うとおりだ。ワシは、まだまだ成長せねばならん。」(今、思えば、楽だという理由だけで(松永)久秀に頼り過ぎた俺が悪い。こんな立派な男が近くにおったのに…。)たっつんは、反省を続けている。「頭目。その想いがあれば大きくなれます。久秀をあの座から引きずり降ろしてやりましょう。」(こんな俺を、まだ、頭目と呼んでくれるのか…。)たっつんが感傷的な気分になりかけると、「おいっ。ぬしらはこれからどうするつもりじゃ。」小七郎が二人に問いかけた。