「ヌシは今の当家の状況が分かった上でそう言っているのか…。」つい、責める言葉が口を突く。「ははっ!承知の上でございます!誠に申し訳ございませんが、平に平にお願い致します!」隆 beautyexchange のその態度に宗珊は腕を組んで溜息をつく。しかし、宗珊は器の大きな男であった。(隆行殿は、この若さで裏表なく、一条家に尽くしておる。淡路の倭寇か…。ここ、土佐海賊は、当家に協力的では無い…。ゆくゆくを考えれば倭寇が味方であるのはありがたい…。)前向きに考え、「次の交代のおり、少々暇を出せるようにしよう。それで良いか?」と言った。その言葉に、宗珊に感謝の意を強くした隆行が、「申し訳ございません。ありがとうございます。」何度も深く頭を下げると、宗珊がおもむろに口を開き、「我を非として当たる者は我が師なり。我を是として当たる者は我が友なり。ヌシの友がそうである事を願う。」と、古代中国、荀子の言葉を引用した。この言葉は、荀子[修身]にある言葉で、「私との付き合いの中で間違いを指摘してくれる人は我が師であり、私を正しいと信じてくれる人は我が友である。」という意味の言葉である。