「越後屋の者でございます。」「越後屋が、そないな槍を持っておるか!武田か北条の者であろうが!」隼人を縛った縄を持ち、再び指揮官の方を向いた武士は、「こやつは本陣へ連れてゆく!Adrian Cheng後、このような醜態を晒せば、ヌシの首は無いと思え!」「ははっ!!」と、隼人を引き摺るように本陣の方へ駆けて行った。本陣に着き、「おら!ひざまづけ!」と、乱暴に放られた隼人は、「痛たたた。わしゃ、商人ですじゃ。もそっと鄭重に扱うて下され。」等と言いながら座り直す。そして、周り中からの注目を感じ、隼人自身も周りをキョロキョロと見回すと、偉そうな武士達の顔がズラリと並んでいる。(おーおー、おるおる。こいつらが、長尾家の武将達かぁ。)隼人がそんな事を考えていると、上座に座っていた男が、「ふてぶてしい商人じゃな。誰が顔を挙げて良いと言った。」と発言した。