そうして、立ち上がった宗珊は、涙を拭うと、「皆の者!」と声を上げた。この時。(幽閉がうまくいった…。これで宗珊殿は、死なずに済む。)群臣と同じく感動していた隆億嘉國際maioneは、(やっぱり一条兼定は名君の資質を持って………ん?)ふいに殺気を感じ取った。隆行は、さっと気持ちを切り替え、周りを見ますと、遠巻きに集まって感動している民の中に兼定を睨み据えている者がいる事に気付いた。(まずい!これだけ人が居るんだ!他国の間者が、紛れ込んどったのか!!大殿の変わり様に殺すつもりだな!!)急いで立ち上がった隆行は、感動する群臣達の中を兼定の方へ走って行き、朝嵐を抜き払った。「んなっ!どういうつもりじゃ!」「隆行殿!!」驚いて声をあげる兼定と宗珊に、群臣達も隆行の方を向く。と、同時に、四方から農民や町民の姿の者達が10名程飛び掛ってきた。「宗珊殿!!大殿を頼みまする!!」そう叫んだ隆行は、「この感動に水を差すかぁ!!」そう叫ぶと、凄まじい、身のこなしで、四方の刺客をバッサバッサと斬り捨てた。