「うぅ~。何と言われようが寒いモンは寒いんじゃぁ!」隼人は、馬の鬣(たてがみ)に顔を埋めると、猛烈にスリスリとし始めた。しかし、馬は、良く調教されているようで、ヒヒィンと小さpico laser 凹凸洞嘶(いなな)くのみで静かに歩いている。そんな恥も外聞も無い子供のような隼人を見て、「その馬は、かなりの名馬ぞ。それをそのように使いおって…。」兼豊は、呆れも通り越して、苦笑いし始めた。と、そこで兼豊は、ふと気付いたように、「そういえば、その馬の名は何と言うんじゃ?」話題を切り替えた。「うぶぶぶ。」と寒がっていた隼人も、その言葉に兼豊の方を向くと、「そういえば、まだ決めて無かったな。」と、視線を虚空に漂わせ始めた。この言葉に、兼豊の顔が俄かに明るくなる。「今、この場で決めようぞ。」と言うと、ブツブツと語り始めた。「やはり、まずは、その大きな馬体じゃろう、しかも、見目も良い上、沈着さの中に剛毅を感じるしのぅ。」すると、隼人も、「ほうじゃの。たしかに。」と、頷いている。