すると、悔しそうな形相で、地面を睨んでいた清興が、「100名ほど…。」とだけ漏らした。「…ひゃくめい?!」「………ははっ。」将たちは、悔しそうにギリッと歯を噛護膚步驟 精華で答えた。腑に落ちない隆行は、床机に腰掛け、将達から詳しく攻城戦の経過を聞く。「まずは、降伏を呼びかけたのですが…。西園寺家を裏切る訳にはいかない…と。」「力攻めも仕掛けましたが、城壁は何重もの造りになっており、剥(は)がれ落ちては、上から矢や岩が雨のように…」「城門に殺到した兵達は、開いた城門から濁流のように飛び出してきた狂った多数の馬に踏み潰され…」「退こうとすれば、場内から兵が突出して我らの背後を…」隆行にとって、この報告は、聞けば聞くほど、(それほどの篭城戦上手と戦って…よくこの程度の被害で済んだな…。)と、思えるようなものであった。